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  • NOV. 17. 2017
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THE EYE OF BUYER
「DUVETICA」

THE EYE OF BUYER 「DUVETICA」

今シーズン、ÉDIFICEは久しぶりにダウンブランド、<DUVETICA>に4度目の別注をお願いしました。<DUVETICA>はイタリア発ながら、日本のファッション事情やトレンドの世界基準を鋭敏に察知しています。そしてダウン専門メーカーという一貫した別注の生産背景を武器に、時流に合ったプロダクトをクィックに送り出しています。その中でバイヤー熊谷はベースモデルに原点回帰というべきマスターピースを選びました。ÉDIFICEのユーザーが求めているダウンとは一体何なのか。バイヤー熊谷の、強いデュベティカへの想いとともに伝えます。

INTERVIEW&TEXT_MASAYUKI OZAWA

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  • 熊谷 博樹

    熊谷 博樹ÉDIFICE / BUYER

  • 橋本

    橋本 修明DUVETICA (F.E.N. LTD.)

日本主導でスタートした
イタリアのダウンブランド

熊谷私は2002年入社です。今はカジュアル担当のバイヤーですが、販売員時代に<DUVETICA>を知りました。過去3回、別注をÉDIFICEを扱わせていただきましたよね。

橋本僕もずっと別注の窓口をさせて頂いています。確か最初は「キローネ」でしたね。懐かしい。確かトリコロールだったはず。

熊谷そうですね。ネイビーボディで裏地が白、赤いテープを使っていました。

橋本“エディフィスカラー”ですね。デュベティカはイタリアブランドですが、フランスっぽい 笑

熊谷笑 それが2010年のことです。その後。2012年と13年に「バリオ」というモデルで別注しました。<DUVETICA>のブランドの始まりは、いつ頃でしたか?

橋本某ダウンブランドで経験を積んだジャンピエロ・バリアーノ氏が2002年に立ち上げました。じつは日本での展開、というより本格的な展開が日本からなんです。

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熊谷どういうことですか?

橋本日本からスタートしたと言っても過言ではないので、それが2004年。世界に目を向ける上で、いろいろな国の情報やトレンドを吸収する日本のマーケットを知ることは大事だと、常々ミーティングしてきたんです。

熊谷その頃は、世界的にシャイニーダウンが大人気でしたね。あれはどういった流れで生まれたブームだったんですか?

橋本シャイニー面っていうのは実はダウンジャケットの内側にずっと使われていたものなんです。そもそもはダウンが吹き出さないように、生地の表面を熱で加工してペタッと潰すんですよね。するとツヤが出る。それを表に使ってしまおうという発想から始まったんですね。

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ダウンボールを包む布にまで
最高の素材を使う

熊谷でも、<DUVETICA>さんのイメージも強いですね。やはり群を抜いてファッショナブルだった印象があります。

橋本それまでダウンジャケットとはギアとしての用途が強かった。どうしても膨らむウェアなので、野暮ったくみえるんですよね。それを街でファッションとして着られるように、という想いからデュベティカはシルエットにこだわりました。あとはミリタリーウェアにダウンを入れるファッション的な発想も<DUVETICA>がはじまりだったと思います。それが支持を頂き、じわりじわりと認知を広げていったと思います。

熊谷その流れで発売されたのが「ディオニシオ」なんですね。

橋本はい。フードまで一体化したフルジップで、今でもデュベティカのアイコンです

熊谷<DUVETICA>って、ロゴが表面にないんですよ。それが逆にクオリティへの自信の表れのように感じます。勝負するポイントは実はやはり中身ですか?

橋本見えない部分、つまり中身のへのこだわりはどこよりも強いと自負しています。デュベティカはグレイグースダウンを使っていますが、産地はフランス。フォアグラ用に飼育されている大きながちょうの羽を有効利用しています。よく言えばエコでもあります。高級フォアグラ用に使われるだけあって、羽自体のクオリティも高いんです。その質が高いと、ジャケットに封入するダウンボールの一つ一つがとても大きいんです。

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熊谷他のダウンメーカーさんと比べても大きいですか?

橋本はい、ダウンボールが大きいメリットは、少ない羽の量でも十分に膨らむので、まず暖かい。そして少ない分だけ軽く仕上がるということです。またそのダウンボールを包むのに布生地を使うのですが、これも生地メーカーと共同開発しています。正直、誰の目にも止まらない場所ですけどね。

熊谷お客様がダウンジャケットに求めるのって「ステータス」だと思います。だからブランド名が立つことは大事です。確かに僕も中身のことまで詳しく知りませんが、そう聞くと<DUVETICA>のステータスの高さを知ることができます。ネームバリューは、見えないこだわりから生まれるのかもしれませんね。

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ダウンも歴史のあるベーシックが
好まれる傾向に

熊谷ÉDIFICEのお客様は、ダウンに限らず「オンオフ」を兼用できるアウターを求めています。だからスーツの上衣やジャケットの丈が収まって、ヒップが隠れるくらいの着丈のバリエーションがどうしても多くなります。でも、デュベティカのディオニシオは着丈が短くてカジュアル。じつはそこに魅力を感じていたんです。

橋本「キローネ」はショート丈ですが、やはりヒット作はロング丈ですか?

熊谷オンオフ兼用を求めるならそうですね。でも今回欲しかったのも、オフに着るためのカジュアルなダウンジャケット。だから今回の別注は「ディオニシオ」をベースに選びました。僕にとってもÉDIFICEにとっても思い出深く、これが原点であり、ダウンのステータスなんです。確かに、オリジナルではシャイニー加工の後に上品なウールの表地を使ったものが流行り、その後60-40クロスやコットンのように重厚感があるものがトレンドになり、最近はマット系が元気ですね。

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橋本素材開発の技術やアイデアがここ10年でとても進化したように思います。様々な素材を使ったダウンジャケットが世の中に生まれたことで「定番」というか「ブランドの原点」や「必要なもの」ができ、それが軸になったことで結果的に多様性に繋がっているんです。暖かく、軽いダウンを使って色々なアウターが生まれてきました。

熊谷そういえば、僕はフルジップのダウンベストもよく着ていました。

橋本それはアリステオとい定番のモデルですね。今着ているベストは当時のアリステオのシルエットをベースに最もシンプルに削ぎ落として復刻したんです。最近までは「ダウンメーカーが提案できるダウン」を求められるお客様や取引先が多かったのですが、多様化の反動からか、ブランドの歴史を感じられるモデルを目当てにされる方が多いです。メディアからの掲載依頼も「定番モノ」や「ファーストモデル」を尋ねられることが増えましたね。

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別注で蘇った、
ステータスのあるダウン。

熊谷展示会で久々に「ディオニシオ」を見せていただき、やはりこれしかない、と思ったんですよね。

橋本「ディオニシオ」はデュベティカのメンズコレクションの中で一番売れているモデルなんです。デュベティカを買おうと思ったお客さんは、使命買いが多いですし、カラバリも豊富なのでリピート買いも多いですね。

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熊谷でも昔のパンパンのボリュームで、丸っこい作りではなくなっていたんですよね。いつから変わっていたんですか?

橋本2009年あたりから少しずつ、ですね。世の中がよりスタイリッシュなダウンが好まれるようになって、<DUVETICA>も対応してきました。そうやって進化していったつもりでも、やっぱり原点を評価して頂けるのはすごく嬉しいことですよね。

熊谷定番モデルも時代に合わせてマイナーチェンジをしていたのですね。今日は別注と言いながら、形まで変えてしまいました……

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橋本ダウン量がパンパンだった初期モデルのようにしたいリクエストだったので、ステッチを入れる部屋の数も変えるなどしてパターンも引き直しました。ジッパーも現行のより細いものに変えています。ダウン量は、ここだけの話、1.5倍に増えています。だからお買い得ですよ!

熊谷表地はマットなナイロンでお願いしました。デュベティカのステータス感を残すためにシャイニー面はどこかに使いたかったので、裏地に採用しています。落ち着いたルックスなので、革靴に合わせることもでき、上品に着て頂ける。しかも今回、別注だけのモデル名「クワトロ」をつけてくれたんですよね。

橋本はい。「ディオニシオ・クアトロ」が正式なモデル名になります。つまりディオニシオも進化形態という意味です。定番モデルを認めてもらったことで、本国のスタッフもとても喜んでいました。

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